ママのための性教育のお話~思春期の男の子の悩み~
思春期の男の子は性に関することについてどのようなことに悩んでいるのでしょう。性に関する不安や悩みの調査結果によると、男子中学生で多かったのは、①自慰 ②包茎 ③性器 ④射精 ⑤性欲でした(*)。最も多かったのは自慰ですが、このことについて学ぶ機会は、ママのみなさまも、ほとんどなかったのではないでしょうか。
自慰とは、自分で自分の性器などを触って気持ちよくする行為のことです。マスターベーション、オナニー、セルフプレジャーともいいます。性的な欲求は人間の自然な欲求です。性的欲求には個人差がありますが、思春期は性ホルモンがたくさん分泌されて性的欲求が強くなる傾向があります。性的な欲求を自分で解消したり、コントロールしていくことは大切です。
自慰行為に罪悪感を持ってしまうお子さんが多いように思います。女の子から相談されることもあります。自慰は、男性も女性も、何回行っても、問題ありません。もちろん行わなくても問題ありません。
ただ行う場合に気をつけることがいくつかあります。自慰はとてもプライベートな行為ですから必ず1人になれる空間で行うこと、また体を傷つけないように清潔にそして優しく行うことなどです。前回ご紹介した「おれたちロケット少年」にも自慰について書かれています。またこちらのサイトもおススメです。
セイシル https://seicil.com/masturbation/
ピルコン https://pilcon.org/help-line/selfpleasure
まずはママのみなさんが、ご覧になってみてください。お子さんにも、本やサイトを紹介してあげても良いと思います。
お子さんの成長に伴い、お子さんのプライバシーを意識されることは大切です。子ども部屋に入る時や入浴中は、ノックをしたり、開けていい?と声をかけるようにしましょう。親子であっても、お互いのプライバシーを尊重することは大切です。
小さいお子さんが性器さわりをすることがありますが、これは自慰ではなく、多くの場合、自分の体を触ることで気分を紛らわしたり安心したりしているようです。もし頻繁に触っている場合は、感染症などのトラブルが原因のこともあるので、痛みや痒みなどがないか確認しましょう。そういったことはないのに人前で頻繁に触ってしまう場合には、大事なところだから人前では触らないようにしようねと、声をかけても良いと思います。また、寂しさや心配など、心理的なことが原因の場合もあります。一緒に遊ぶ時間を増やすなど寂しい気持ちが解消されて、触る頻度が減ることもあります。また、友だち関係で悩んだりしていないか、お子さんの様子をよくみてあげていただければと思います。
*日本家族計画協会 思春期FP・ホットライン2017年度データより